わたしは無名! あなたは?
エミリー・ディキンソンは、「わたしは無名! あなたは?」で始まる詩を書いて、認められようと頑張ることを茶化しています。「有名になるって、いったいなにがおもしろいの?まるで沼地の真ん中の蛙みたい。自分の名前を大声で連呼して、六月のあいだじゅう見わたすかぎりの泥に拝まれて!!」
降りかかる災い
アメリカの第18代大統領グラントは、退任後、全財産をだまし取られました。数カ月後、不治のがんと診断されると、作家マーク・トウェインに勧められて回想録を執筆し、死の1週間前に完成させました。遺される家族の生活を心配してのことでした。
この上ない恩情
ファストフード店で働くケビン・フォードは、27年間、無遅刻無欠勤です。勤労27周年に粗品を受け取る彼の謙虚な姿勢が、ネットの動画で公開されると、多くの人が感動して、彼を応援しようとしました。彼のためにクラウドファンディングをし、約1週間で3千万円余りが集まったのです。ケビンは「夢のようです。夢が現実になりました」と述べました。
祝福マスク
新型コロナウイルス感染症対策のマスク着用義務が緩和されても、娘の学校などではまだ必要でした。ある日、マスクが必要な場面で車中にあったのは、普段使わないものでした。私は大抵、無地のマスクを使いますが、それは表に「祝福」と大きく書かれていたからです。
神を知る
アイルランドを訪れた際、シャムロック柄の多さに驚きました。それは、衣服や帽子、宝石など、ほぼ全ての店の商品の模様に使われていました。
神の壮大な物語
ライフ誌(1968年7月12日号)の表紙は、飢えた子どもたちのぞっとする写真でした。ナイジェリア内戦のビアフラで撮影されたものです。心を痛めた少年が牧師に尋ねました。「神さまは知っているの?」牧師は「知っておられるよ。それならなぜって思うだろうけど」と答えました。少年はそんな神ならいらないと言いました。
未知のルート
誘いに乗るべきではなかったのです。私は外国にいて道を知りません。場所も距離も地形もです。その上、ブライアンは俊足です。無理についていって足を痛めるかもしれません。でも仕方ありません。彼を信頼する以外、打つ手はないのです。走り始めると不安が増しました。うっそうとした森のくねくね曲がったでこぼこ道です。しかし、感謝なことに、ブライアンは何度も振り返って私の様子を伺い、悪路の前には警告をくれました。
自由に走る
ビープ・ベースボールをご存じですか。盲目の選手は、ボールのビープ音やベースのブザー音を頼りに、すべきこと、行くべき場所を察知します。打者は障害の程度で有利や不利にならないようにアイマスクをします。目の見える人が投手となり、同じチームになります。打者はバットを振り、ビープ音のするボールを打つと、ブザーが鳴るベースに向かって走ります。打者がベースに到達する前に野手がボールを捕ればアウト、そうでなければ得点が入ります。ある選手は「走る方向と道筋がはっきりしているので、自由に伸び伸びと走れる」と語ります。
疲れているとき
定時が過ぎた静かな社内でパソコンの前に座っていました。仕事が終わって気分爽快のはずが、ぐったり疲れていました。仕事の問題や人間関係のことで身体が硬くなり、肩も凝っています。その晩は気分転換にテレビでも見ようと思いました。