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ペテン師症候群

自分は見かけほど有能ではないと感じ、それがいつかバレてしまうと不安。そんなことはありませんか。実は、そういう人は多いのです。1970年代の終わり頃、二人の研究者がこの心理を「ペテン師症候群」と名付けました。社会的に認められた優秀な人でさえ自分の至らなさに苦しみます。本当の自分を知ったら、相手はひどく幻滅するだろうと心配するのです。

イエスが土台のつながり

人生が8分で変えられるでしょうか。無縁社会とさえいわれる今の世の中ですが、作家のジャンシー・ダンは、「8分の電話」を提唱します。こんな短時間でも電話で会話していれば、家族や友人と疎遠にならずに済むと言います。週に2、3回、数分の会話を電話ですると、うつや孤立感、不安が軽減される、という研究結果もあります。また人間関係における小さな調整が、自分や相手の幸福感に大きな影響を与えるという別の専門家の研究もダンは引用しています。

苦しむ人を助ける

ハワイ、マウイ島の観光地ラハイナを襲った2023年8月の山火事は、死亡者102名、損壊家屋2千棟以上という米国史上最悪ともいえる被害をもたらしました。何とか立ち上がろうともがく住民たちをさらに苦しめたのは、火事場泥棒や混乱に便乗して土地を狙う悪徳不動産業者の横行でした。

最初の一歩を

ディオグネトゥスは、2世紀の人物で、キリスト者がローマの迫害下で「日ごとにますます増えていく」と気付きました。彼は異教徒だったので「なぜこうなのか」と尋ねました。それに対するキリスト教会指導者の返答が、「ディオグネトゥスへの手紙」と呼ばれる歴史文書です。「罰する人を増やせば増やすほどに、まだ罰していない残りの人の数が増えているのが分かりませんか。これは人間の業ではなさそうです。神の力なのです」

信じて共に働く

テレビから「どんな状況下でも、自分にあるものを最大限に活用すべきです」と語る若い女性の声がしました。気になって耳を傾けると、彼女は6人姉妹の一人で、大学の看護学部を卒業しました。一時はホームレスになるという苦境を通りましたが、姉妹で切磋琢磨(せっさたくま)し、6人全員が地元の大学の看護学部を卒業しました。

最も重要なこと

フランス革命の最中、暴徒によって処刑されたファヴラ侯爵トマ・ド・マイは死刑執行令状を見せられて「誤字が三つもある」と語ったそうです。それが本当ならば、彼はより深刻な問題、すなわち、自身に迫る死を完全に無視したことになります。

組み合わされる

アンディ・ゴールズワージーの作品、グランド・ラピッズ・アーチは、闊歩(かっぽ)する人を模するように道に沿って建っています。材料はスコットランド産の大きさの異なる36個の砂岩。接触面が互いを支えるように角度を一つ一つ調節して切断され、釘やモルタルを使わずに積み上げられ、天辺にはくさび形の石があります。これはかなめ石と呼ばれます。この石が受ける圧力を均衡させることで、高さ5.5mのアーチは一体化し自立しています。

用途の変更

クレオ・マクビッカーは、1930年代初頭、壁のクリーナーを発明しました。当時、多くの家庭の暖房は石炭ストーブで、壁は煤(すす)で汚れていました。それで壁の上で転がして煤を吸着させる製品を開発したのです。しかし、残念ながらあまり売れませんでした。ところが数十年後、ある学校の教師がクリスマス飾りを作る授業に使いました。それがレインボークラフト社の起こりで、この製品は別の用途に使われました。幼児向けの粘土「プレイドー」です。

結局、最後には

アイルランドの聖ブレンダンを題材にしたフレデリック・ビュークナーの小説で、主人公が仲間の修道士ギルダスの片足は、膝から下がないと気付く場面があります。ギルダスはつえを取ろうとしてバランスを崩し、ブレンダンが支えます。ギルダスは、「私は闇に包まれた世界と同じぐらい傷ついている」と言います。ブレンダンは答えます。「もしそうなら、私とて同じだ。倒れそうになったら互いに手を貸し合う。結局のところ、それが唯一の意味ある働きなのだろう」