贖い主
礼拝説教に合わせてライブペインティングがありました。牧師の私が、出来上がった美しい絵に黒い線を引くと、会衆はギョッとしました。一方、画家は涼しい顔で筆を取ると、それをすばらしい絵画に作り変えました。
どちらも真実
フェン・ルルが家族と再会したのは30年後でした。幼児期に自宅前で遊んでいて誘拐されましたが、中華全国婦女連合会の尽力で探し出されました。当時のことは、幼くて、覚えていません。経済状況が苦しい親に売られたと信じて育ったので、真実を知ると、多くの疑問や感情が湧いてきました。
癒やされた者として
インドに生来盲目の姉妹がいました。父親は働き者でしたが、目の手術の費用を捻出することはできません。ところが医療宣教団がやってきました。手術の翌朝、包帯が解かれると笑顔がこぼれました。ひとりは「お母さん、見える!」と叫びました。
迷惑な訪問客
カイルは妻のアリソンと海外に新婚旅行に行きましたが、帰国すると、足にかゆみを伴う発疹ができました。専門医を訪ねると、新しいビーチサンダルのせいでできた靴ずれから、寄生虫が皮膚の中に入り込んだといいます。夢の休暇の終着点は、迷惑な訪問客との悪戦苦闘になりました。
もう1度歌おう
オーストラリアに生息するキガオミツスイは危機に直面しています。仲間たちが300羽ほどに減ってしまい、歌い方を習えません。それで求愛が成功しないのです。幸い保護活動が進行中です。録音した独特の鳴き声を聞かせて、心の歌を思い出させるように助けています。オスが鳴き方を習得して求愛に成功し、個体数が増えることを願っています。
神はきよめる
汚れを自ら除去する服ができたらどうでしょう。BBC放送によると、綿についた汚れや匂いが紫外線で無くなるコーティング剤を、中国の科学者が開発したそうです。洗濯が不要の世の中はどんなものでしょう。
ありのままのその人を
オリバー・クロムウェルは17世紀の軍人で、イングランド共和国の初代護国卿でした。当時、国の高官が肖像画を描かせるのはよくあることで、見栄えのよくない部分を描かないことも普通でした。しかし、クロムウェルは自分を良く見せたいとは思わず、「イボも含めて、ありのままの私を描きなさい。さもなければ支払いはしません」と告げました。画家が従ったのは明らかです。完成したクロムウェルの自画像には大きなイボが描かれています。現代のSNSの写真なら修正されていたでしょう。
ライオン、小羊、救い主!
ニューヨーク公共図書館の入口に2体の堂々としたライオンの大理石像が、1911年の竣工時から立っています。元々の名は図書館の創立者にちなみ、レオ・レノックスとレオ・アスターでしたが、大恐慌時代に市長のフィオレロ・ラガーディアによって、不屈の精神を意味するフォーティチュードと忍耐を意味するペイシェンスに改名されました。それが当時を生き抜くために必要だと考えたのです。
壊れた私
コリンは妻とインテリア用品店で絵を探していましたが、気になる物があったので、妻を呼びました。それは右側に「グレイス」という文字が入った陶器の置物でしたが、反対側には2本のひび割れがありました。妻のジョーダンは、壊れていると言って別の物を探そうとしましたが、コリンは「いいんだ」と止めました。「僕たちは壊れている、だから恵みが訪れるんだ」と言い、ふたりはそれを買うことにしました。レジに持っていくと店員が「あらまあ!壊れているわ」と声を上げました。ジョーダンは静かに「ええ、分かっているわ。私たちもよ」と応じました。