Month: 12月 2023

キリストのように与える

作家のオー・ヘンリーが1905年に発表した『賢者の贈り物』は多くの人の愛読書です。当時、彼はある葛藤を抱えていましたが、その中で「自己犠牲」というキリストの品性に焦点を当てた感動的な物語を書きました。主人公の貧しい女性は、夫に懐中時計の金の鎖をクリスマスに贈ろうと長く美しい髪を売ります。一方、夫は、その時計を売り、美しい髪の妻のためにくしを買っていました。この夫婦の贈り物は自己犠牲です。二人の行いには愛があります。

聖ニコラス

聖ニコラスは紀元270年頃に裕福な家庭に生まれました。幼い頃に両親を亡くしましたが、愛情深い叔父に育てられ、神に従うことを学びました。言い伝えによると、青年ニコラスは、持参金が無くて結婚できない3姉妹のことを聞き、貧しい人に施すというイエスの教えに従いたかったので、相続財産を使って一人一人に金貨を詰めた袋を渡しました。その後、長年、貧しい人の必要を満たすことで残りの財産を使い果たしました。彼の惜しみない施しが、時代を経て、「サンタクロース」を生んだのです。

神の約束で安心する

以前、家族でフォー・コーナーズに行きました。米国で唯一、四つの州が境を接する場所です。夫はアリゾナ州と表記された場所、長男はユタ州、次男は私と手をつないでコロラド州に立ちました。私がニューメキシコ州に移動すると、「ママ! 僕をコロラド州に置いていくなんてひどい!!」と言いました。私たちは別々の州で笑いましたが、互いのそばにいました。息子たちが成長して家を出た今、どこであれ、神は全ての主の民のそばにおられるという約束を、それまで以上にありがたく思うようになりました。

谷間に神の光が

進行がんだと診断され、エレインは主のみもとに行く日は遠くないと悟りました。そして、夫のチャックに伴われ、54年間の夫婦生活の中で最も厳しい谷を歩みました。二人はその間、主が共におられるという詩篇23篇の約束を愛し、それに支えられてきました。エレインはイエスを主として何十年も生きてきたので、永遠のいのちに入る準備は整っていました。二人はその事実に希望を託していました。

イエスに降参する

旧ソ連のスターリンは、1951年、健康のために仕事をセーブするように助言した主治医をスパイ容疑で逮捕しました。うそや捏造(ねつぞう)で国民を抑圧した独裁者は、ご多分に漏れず、事実を告げた者を排除しました。しかし、真実は勝利します。2年後、スターリンは病死しました。

善意を増やせ

ビジネスで成功する秘訣(ひけつ)を問われて「親切さ」や「気前の良さ」と言う人は少ないでしょう。しかし、起業家のジェームズ・リーは違います。彼は破綻寸前の会社を優良企業に再生しました。その経験によると、彼が「善意」と呼ぶもの、すなわち、親切、受けるより与える、という気風の醸成が鍵だといいます。これを会社の中心に据えるなら、社員は希望を持ち、団結して問題解決に取り組んだり、新しい価値を生む事業を起こそうと動機づけられるのだそうです。彼は「善意は……正真正銘の資産だ。化学反応を起こして増えていける」と説明します。

心からの歓迎

南米ベネズエラのカラカスは、夜もむっとする暑さでした。パナデリー(現地のパン屋)、タコス、ガソリンの臭いが入り混じり、人と車でごった返す市街地を、友人と私は、夕食に招待してくれた男性の自宅に向かっていました。アパートに到着すると、ドアの向こうから男性がお日様のような笑顔で、腕を大きく広げてハグで迎えてくれました。

大きな木のダイニングテーブルに案内され、肉と米とバナナののった大皿のごちそうを彼の家族と一緒に楽しみました。友人はスペイン語を話せますが、私はできません。友人がたまに訳してくれる時以外は、楽しそうに話す皆を眺めているしかありませんでした。会話をほとんど理解できなかったのに、私は輪の外にいるようには感じませんでした。そこには包み込むような温かさがありました。歴史も違う見知らぬ土地で、言葉も通じない民族の人たちと過ごす。しかし、彼らが心から歓迎してくれたおかげで、私もそこにいていいのだと思えました。

イエスを信じているなら、私たちも日頃から率先して人を受け入れることが求められます。パウロは「キリストがあなたがたを受け入れてくださったように、あなたがたも互いに受け入れ合いなさい」(ローマ15:7)と言いました。互いを尊重し、誰に対しても広い心で同様に接する、というのが私たちの本来あるべき姿です。自分と異なる人たちに対しても、例外ではありません。パウロはユダヤ人と異邦人の対立を取り上げましたが、民族、所得、ジェンダー、その他どんな違いについても同じです。文化の違いは隔たりではなく、むしろイエスが私たちを受け入れてくださったように互いを受け入れる機会とできるのです。

デイリーブレッド寄稿者 Winn Collier

神のご計画のもと、世界には多種多様な人種や文化があります。イエスを信じる者として、人種も文化も異なる人々との相互理解を深め、関係を育むために何ができるでしょう。
【このテーマは今月の以下のエッセーでも取り上げています。】
1日 すべての人へ
8日 偏見と神の愛
15日 神の御前にみな、平等
22日 壁を壊して一つになる

すべての人へ

ダン・ギルは9歳の時、親友アーチーと同級生の誕生日会に行きました。ところが、その家の母親は「椅子が足りない」と言って、黒人のアーチーを入れてくれません。ダンは自分が床に座ると言いましたが断られ、仕方なくプレゼントを置いて帰りました。親友が拒絶されたという痛みが心に深く刻まれました。時が流れ、ダンは現在、学校の先生です。彼の教室には、いつも予備の椅子が一つあります。生徒が理由を聞くと、教室はみんなの居場所ということを忘れないようにするためだと説明しています。