Category  |  苦しみ

スタミナ切れ

看護師の友人が「これ以上はもう無理」と涙ながらに訴えました。「自分は看護師に召されたと信じているけれど、もう精神的に参ってしまった」と言いました。新型コロナウイルス感染症がまん延する混乱の中で働き続け、絶望感に圧倒されていたのです。私は友人の疲れ切った顔を見て言いました。「無力さを感じているのね。それなら、神にもらった志を貫く力と、どこに進むべきかという神の導きを祈りましょう」。彼女は即、一般的な祈りではなく、真剣に具体的に祈りました。そして程なく、新たな目的意識を得て、元気を取り戻しました。神は彼女に看護の仕事を続ける気力や体力だけでなく、国中の病院を回ってより多くの患者に仕える強い力を下さいました。

救いの御手

ブロガーのボニー・グレイは、嵐のような悲しみに囚われたと語ります。最高に幸せだった時期に、突然、理由もなく、パニックや抑うつ感に襲われたのです。何とかしようといろいろと試してみましたが、やがて、その状況に1人で立ち向かえるほど自分は強くないと悟りました。彼女は次のように語ります。「あの抑うつ感が去るように、誰にも何も言わず1人で祈りました。信仰が弱いなどと言われるのが嫌だったからです。しかし、神は、痛みから目を逸らさせたり、自分で自分を責めたりさせたいとは思っておられません。私たちを癒やされたいのです」。彼女は、神の臨在に慰められ、癒やされていきました。神は、逆巻く大波から守ってくれるいかりでした。

嘆きから賛美へ

モニカは息子が神に立ち返るように熱心に祈りました。彼の自堕落な生活を嘆き、外国まで彼を追いかけることさえしました。息子の状況は救いようがないように見えました。しかし、ある日、それは起こりました。息子が神と劇的に出会ったのです。やがて彼は、偉大な神学者になりました。その人はヒッポの司教、聖アウグスティヌス(354-430年)です。

新たなスタート

詩篇120篇は、最初の「都上りの歌」(詩120-134篇)です。巡礼者はエルサレムに向かう道で、それを賛美しました。ユージン・ピーターソンはこの詩篇を省察して、「当然と考えていたことが実はうそだった、という苦々しい気付きから、キリスト者の意識は始まる」と述べました。彼の著書『A Long Obedience in the Same Direction』(同じ方向に向けて長い間従順に従う)が語っているように、「都上りの歌」は、私たちの霊が神に向かって進む旅路を示しています。

圧倒的な勝利者

夫が少年野球の監督をしていた時のことです。打ち上げパーティーをすると、最年少のダスティンが「今日は負けたんじゃないの?」と言いました。「ええ。でも、みんながベストを尽くしたことが誇らしいの」「でも負けたよね」私はうなずきました。「なのになぜ、勝ったように感じるの?」私は「それはね、あなたが勝利者だから」と笑顔で答えました。

救出作戦

オーストラリアの家畜救出団体の人が迷子の羊を見つけました。汚れて絡み合った毛は34㎏以上もあり、少なくとも5年間は森に放置されていたようでした。その人は、羊をなだめながら重い毛を刈ってあげました。羊は身軽になると餌を食べました。そして、保護区で職員に守られ、他の動物たちと過ごすうちに、しっかりとし、落ち着いてもきました。

喜びを選ぶ

キースは重い足取りでスーパーの売り場を歩いていました。パーキンソン病の初期症状で両手が震えます。生活の質がもうすぐ低下し始めるのでしょうか。家族はどうなるのでしょう。その時、笑い声がして、思考が途切れました。声の主は、ジャガイモ売り場のそばの車椅子の少年です。父親らしき男性が車椅子を押していて、後ろから身を寄せて、何かをささやいていましたが、少年は笑い続けます。状態はキースよりかなり悪そうでしたが、2人は、何かに喜びを見つけているようでした。

知ることが苦痛

グランドキャニオンで25日間のラフティングの旅を終えたザック・エルダーと仲間たちは、ゴムボートを回収しに来た人から、恐ろしい新種のウィルスについて聞かされました。パンデミックの前に旅に出ていたので、最初は冗談だと思いましたが、峡谷を出て電波が入ると、携帯電話に親たちから緊急メールが次々に届きました。彼らはぼう然とし、川に戻って現実逃避をしたいと思いました。

試練の中の恵み

詩人アニー・ジョンソン・フリント(1866-1932年)は、若くして重度のリユーマチを患い、自力では歩けず介護が必要でしたが、彼女の作品に感動した客がたびたび訪ねてきました。ある失意の女性は、面会の後、神はなぜアニーにそんな試練を与えられたのかしらと手紙を書きました。アニーは「空がいつも青く澄んで、わたしたちの行く道にはずっと花が咲き乱れているとか、……そうではなく神さまの約束は……」と、詩を書いて返信しました。彼女は苦難の中にいましたが、神が御民を決して見放さないと知っていました。その詩は、試練の中の恵み、上からの助け、尽きぬあわれみ、不朽の愛が約束されていると続きます。