Month: 2月 2021

神ではない

自分が高慢ではないかセルフチェックすることを、C.S.ルイスは『キリスト教の精髄』の中で勧めています。ぞんざいに扱われる、無視される、見下される、自慢を聞かされる。このような扱いを受けたとき、どれほどの嫌悪感を抱くかがひとつの指標です。ルイスは、高慢は諸悪の根源で、家庭や国家を惨めな状況にすると考えました。それは「霊の癌」で、愛、満足、良識を食い尽くすと述べました。

歌いましょう!

元オペラ歌手のナンシー・グスタファソンは、認知症の母を訪ねて衝撃を受けました。彼女は娘を認識できず、ほとんど話せません。しかし、月一度の訪問でふとひらめき、母に向かって歌うと、彼女は目を輝かせて20分間もともに歌い、「グスタファソン・シンガーズね!」と冗談まで口にしました。音楽には記憶を呼び覚ます力があると論じる専門家がいますが、彼女の回復は、その可能性を示唆します。懐かしいメロディを口ずさむなら、気持ちが明るくなり、転倒を防ぎ、危険行為や鎮静剤の使用を減らすでしょう。

非常手段

オラニエ公ウィレムは、16世紀後半、国土の大半を意図的に水没させ、スペイン軍の侵略から自国を守ろうとしました。「非常時の非常手段」で対抗しましたが、うまくいかず、肥沃な農作地帯の大半が海になってしまいました。

色々な考え

大学時代、ベネズエラで夏を過ごしたことがありました。食べ物は美味しく、人は親切で、天候もおもてなしも最高でした。しかし、時間の感覚にズレがあると一両日で気づきました。例えば、正午にランチの約束をすると、それは12時から13時の間を意味します。ミーティングや旅の移動でも同じことでした。時間は一点ではなく大体の時間帯を指したのです。私は、定刻という概念は文化に依存していると学びました。

瓜ふたつ

先日、夫を幼少期から知っている女性に会いました。彼女は息子のザビエルを見て「お父さんに瓜ふたつね。目も笑顔も、そっくり!」と言いました。また、ふたりは外見だけでなく、性格もよく似ているとも言いました。その通りですが、まったく同じではありません。

SOSを発信する

アラスカの山岳地帯に入植した人の小屋が火事になりました。住民は無事でしたが、極寒の中、避難所も食料もありません。しかし、3週間後、彼は救出されました。上空を飛んでいた飛行機が、黒いすすで雪の上に大きく書かれたSOSの文字に気づいたからです。

新しい事

真水が乏しい土地の農業を助ける技術が考案され、アフリカのソマリランドや同じような気候の国々で実用化されています。海水淡水化温室は、太陽光発電で動くポンプで海水を汲み上げ、霧状にし、波型の段ボールの壁に振りかけて塩分を壁に付着させ、水分を内側に蒸発させるというものです。高い湿度の室内は野菜や果物を豊かに実らせます。

祝宴

友人のシャロンが悲惨な交通事故で亡くなった一年後に、別の友人デイブの10代の娘メリッサが、やはり交通事故で亡くなりました。ある晩、私は彼女たちの夢を見ました。ふたりは広いパーティー会場を飾りつけながら談笑していて、私が部屋に入って来ても知らんぷりです。テーブルには真っ白なテーブルクロスがかけられ、金色の皿とワイングラスが置かれていました。私も手伝いたいと言ったのですが、ふたりには聞こえていないようでした。

アナログ時計

氷を湖から切り出し氷室に貯蔵している職人たちがいましたが、そのひとりが、腕時計をなくしてしまいました。氷室は真っ暗です。探しても見つかりませんでした。諦めて出て来ると、それを見た若者が中に入り、すぐに時計を手に出てきました。どうやって見つけたのかと尋ねると、「静かに座っていたのです。するとチクタクと音が聴こえました」と答えました。