そばに来てかがむ
小さな子の母親が懸命に自転車の練習をする娘の後ろを追いかけていました。子どもはスピードを制御できなくなって自転車は転倒し、女の子は足が痛いと泣き出しました。母親は静かにかがんで膝をつき、痛みが飛んでいくように足をなでました。効果てきめんです。少女は立ち上がって練習を再開しました。私たちの痛みが全て、これほど簡単に消えたらどんなによいでしょう。
祈りは神の宝物
ハイイロホシガラスは毎年、冬に備えて数種類の針葉樹の種を毎時500個ほども隠します。そして数ヵ月後、それを掘り出します。大雪に埋もれていてもそれを見つけるのです。この鳥は種を隠した場所を1万カ所も記憶しているというから驚きです。人間が車の鍵や眼鏡を置いた場所をよく忘れることを思うとなおさらです。
呪いではなく
シェイクスピアは侮辱の名手です。俳優バリー・クラフトの著書は、シェイクスピアの戯曲の中の巧妙でやんわりした侮辱表現を集めています。日本の子どもの口げんかの決まり文句に「お前の母ちゃんでべそ」というものがありますが、そういった遠回しで辛辣(しんらつ)な悪口の数々です。
信仰によって堅く立つ
ノキア社は1998年、売上世界一の携帯電話会社となり、翌年の利益は5千億円に迫る勢いでした。しかし、2011年までに業績は悪化、やがてマイクロソフト社に買収されました。その失敗の一端は、恐れに支配された企業風土でした。責任者たちは解雇を恐れて基本ソフトなどの問題点を報告しませんでした。この決断が破滅を招いたのです。
クリスマスの奇跡
ガレージセールで見つけたナティビティーセットの赤子イエスは、布に包まれて目を閉じているおなじみの姿ではありません。身体をおくるみから出し、目を開け、腕を伸ばし、手指を広げて「わたしはここにいます!」と言っているようでした。
ちょうどよい
映画『屋根の上のバイオリン弾き』の主人公テヴィエは、正直な気持ちを神に語りました。「あぁ神様。あなたは多くの貧乏人を作られました。貧乏は恥ではないと承知していますよ。しかし、大した名誉でもない。わしに少しばかりの財産があっても、何がそんなに悪いのか……わしが金持ちなら、あなたの広大な永遠のご計画が台無しになるでしょうか」
信仰の遺産
米国のキリスト者の場合、母と祖母が信仰継承に多大な影響を及ぼしたと、2019年の調査で明らかになりました。信仰を継承した人の約3分の2は母のおかげだと言い、3分の1は祖父母(主に祖母)の功績だと答えました。
生涯の友だち
英国の詩人ウィリアム・クーパー(1731-1800年)は、自分の教会の牧師で元奴隷商人のジョン・ニュートン(1725-1807年)と友だちになりました。クーパーは、不安とうつ症状に悩み、自死を試みたことも一度ではありませんでした。2人は共に散歩し、神について語り合いました。ニュートンは、目的をもって詩を作ることが良い影響になると思い、賛美歌集の作成を思いつきました。クーパーは『かみのみむねはいともくすし』をはじめ、多くの詩を書きました。2人の友情は、ニュートンが別の教会に赴任してからも続き、クーパーが亡くなるまで、頻繁に手紙のやり取りをしました。
御手の中で
俳優ウィリアム・シャトナーは、テレビのSFドラマシリーズ『スタートレック』でカーク船長を演じましたが、実際に宇宙に行けるとは思いもよらないことでした。彼は11分間の宇宙飛行の後、「あれほど感動する経験は他にはない」と興奮して語りました。「青い色はすぐ過ぎて、漆黒の闇がありました。下を見ると青、上は真っ暗闇です」と述べ、「美しい青の層は薄く、一瞬で通り抜けてしまいました」と続けました。