神の助けで人を助ける
コペンハーゲン在住のオーレ・カソーは大の自転車好きです。ある朝、歩行器を横に、ぽつんと座る老人を見かけました。その時ふと、自転車の自由を高齢者に提供したいと思いました。天気の良い日に自転車式人力車を借りて高齢者施設に行き、乗りたい人はいませんかと呼びかけると、女性住人と職員が手を挙げました。こうしてサイクリング・ウィズアウト・エイジは始まったのです。
遺すものは何か
大恐慌時代に砂嵐が甚大な被害を与えた頃、カンザス州のジョン・ミルバーン・デイビスはずいぶんな散財をしました。一代で大富豪になり、子どもはなく、地域の福祉や経済に貢献することもできましたが、亡き妻と自分の等身大の石像11体に多額の費用を費やしました。
神のための善行
普段、現金は持たないのですが、パトリックはその日、5ドル札を持って学校に出勤するよう神が促しておられると感じました。そして昼休み、騒がしい食堂で声を聞きました。「スコッティがおうちの事情で今週分の給食費の5ドルを払えないらしい」。少年を助けようと紙幣を差し出した時、パトリックは、神の計らいに感動しました。
イエスのように愛する
ドン・ジュゼッペ・ベラルデッリは、イタリアのカスニーゴという町の司祭で「皆に愛された人」でした。いつも「平安で良い日でありますように」とあいさつをして町中を古いバイクで回り、人々のために精力的に働きました。しかし、晩年は健康問題を抱え、コロナに罹患(りかん)するとそれが悪化しました。地域の人たちは彼のために人工呼吸器を購入しましたが、病状が深刻になると、彼は人工呼吸器の利用を拒み、それを若い患者に使うようにと言いました。その決断に驚く人は皆無でした。他者に対する愛を賞賛され、皆に愛された人だったからです。
謙虚なスター選手
大学バスケットボールのスター選手が、試合後、会場の従業員と一緒にゴミを拾っていました。ファンがその動画を投稿すると8万人以上が視聴し、「最も謙虚な人の一人」という賞賛もありました。彼は当然、仲間と一緒に帰り、自分たちの成果を祝うことができました。にもかかわらず、誰にも顧みられない役目を自ら進んで担いました。
足も食器も洗う
チャーリーとジャンは、50回目の結婚記念日に、息子のジョンとカフェで朝食を取りました。その日は、人手不足のようで、店長とシェフ、10代のアルバイトでやりくりしていました。チャーリーは食べ終えると、「今から1、2時間、何か大切な用事はある?」と尋ねました。特に無いということだったので、店長に話をして、夫婦は皿洗いを始めました。ジョンはテーブルの片付けをしました。
イエスのために他者に仕える
ニシェル・ニコルズは『スタートレック』シリーズの第1作でウフーラ大尉を演じました。アフリカ系アメリカ人はそういう役を演じていない時代でしたから、役者として「勝利」したのです。しかし、それ以上の意味がありました。
人の必要に応える
フィリップの父親は重度の精神障害が原因で出奔しました。妻のシンディと幼い息子は、当然のことながら心配して、一日中、探し回りました。フィリップは、父やホームレスの人々は寒くないのかと母に尋ねました。母は、息子に対する答えとして、毛布や防寒具を集めて地域の路上生活者に配る取り組みを始めました。彼女はこの働きを自分のライフワークと考え、10年以上も続けています。また、息子のおかげで、暖かい寝場所がないことがどれほど辛いかに気付いたと語ります。
神に仕える
英国のエリザベス女王の国葬が2022年9月に行われた時、1万人を超える兵士や警察官が警備にあたりました。個々の役割は特段のものではありませんが、彼らの多くはそれを最高の栄誉と思いました。ある兵士は、「女王陛下のために最後の務めを果たす機会」だと語りました。彼にとって、何をするかではなく、誰のためにするかが、職務の重要性を決定づけたのでした。