心を守る
ハンガリー生まれの数学者エイブラハム・ウォールドは、1938年にアメリカに移住した後、第2次世界大戦で米軍に貢献しました。ウォールドたち統計研究グループは、どこを強化すれば戦闘機を敵の爆撃から守れるのか調査するように依頼されました。彼らはまず、帰還した機体の損傷がひどい箇所を調べました。その結果、ウォールドの洞察は大いに評価されました。彼は、帰還した戦闘機からは、撃たれても無事に戻って来られる箇所のデータしか得られないと述べたのです。強化が必要な箇所は、墜落した機体を見なければ分かりませんが、最も脆弱(ぜいじゃく)な部分を攻撃された戦闘機は墜落するので調べられません。その脆弱な部分とはエンジン、すなわち機体の心臓部です。
本当に必要なもの
ポットローストを作るとき、まず肉の塊を半分に切るので、夫がその理由を尋ねました。すると、妻は「お母さんが、いつもそうしていたから」と答えましたが、なぜかしらと好奇心が湧いたので、母親に聞いてみました。すると、驚いたことに、鍋が小さかったから、という理由でした。娘は大きな鍋を持っていたので、肉を切る必要はなかったのです。
嫌な臭い
以前、椅子でくつろいでいると、末娘が2階から降りてきました。そして、まっしぐらに向かって来るや、私の膝に飛び乗りました。ハグをして、おでこに優しくキスすると、娘はキャッキャッと声を上げました。しかし、すぐに顔をしかめ、コーヒーカップを厳しい目でちらっと見ると、真顔でこう言いました。「パパのこと、大好きよ。でも、パパの匂いは嫌い」
満ち足りる
米国の公民権運動が1960年代に佳境を迎えたとき、指導者のキング牧師が暗殺されました。しかし、そのわずか4日後、妻のコレッタは、勇敢にも平和的抗議の行進を夫に代わってけん引しました。コレッタ・スコット・キングは、正義と公正を求めるあらゆる社会活動を積極的に擁護しました。
新しい目
新しい眼鏡をかけて教会に行くと、通路の反対側の席に友人が座っていたので、手を振りました。数メートル先ですが、はっきり見えたので、手を伸ばせば届きそうな距離にいると感じました。礼拝後に話しにいくと、私も彼女もいつもの席に座っていたと気付きました。度数の合う眼鏡のおかげでよく見えたのでした。
力強く駆け抜ける
インドの最高齢のスポーツ選手、103歳のマン・カウアーは、2019年にポーランドで開かれた世界マスターズ陸上競技選手権大会の4種目で金メダルを獲得しました。そればかりか、短距離走で自己記録を更新したのです。カウアーは人生を力強く駆け抜ける姿を見せてくれました。
恐れる時
特に不調はなかったのですが、定期健診が憂うつでした。以前、思いがけなく大病が見つかったことがあり、怖かったのです。神が共におられるので大丈夫と分かってはいても不安でした。
信仰によって堅く立つ
ノキア社は1998年、売上世界一の携帯電話会社となり、翌年の利益は5千億円に迫る勢いでした。しかし、2011年までに業績は悪化、やがてマイクロソフト社に買収されました。その失敗の一端は、恐れに支配された企業風土でした。責任者たちは解雇を恐れて基本ソフトなどの問題点を報告しませんでした。この決断が破滅を招いたのです。
真の変化
ロンドン南部のいざこざの絶えない家庭で育ったクロードは、15歳でマリファナを、25歳でヘロインを売り始めました。しかし、表向きの職場だった若者支援の団体で、尊敬できる上司に出会いました。彼が信じるキリストをもっと知りたいと思い、キリスト信仰の入門講座に加わりました。そしてキリストを心に迎えます、と思い切って告白しました。「自分を喜んでくれる存在を感じたんだ。みんな僕の変化に気付いた。僕は世界一幸せな薬の売人だった」と言います。